優れたビジネスモデルは市場ピークの兆候 September 19, 2007
商売には優れたビジネスモデルが欠かせない、と思うだろうか? 僕はそうは思わない。
ビジネスモデルの勝利の事例として語られることの多かった携帯電話市場も最近化けの皮がはがれてきた。 端末(携帯電話機)を0円で配り月額基本料金で回収する、という日本独自の制度がソフトバンクの参入を機に高コストな月賦払いでしかなかったことが周知されつつある。 “端末0円”戦略はユーザーがひんぱんに乗り換えることで新機能を浸透しやすくし、新たな付加価値を素早く提供するものとして定着した。 それがいまや「月額料金を安くするには端末は一括払いで買ってなるべく買い替えない」という堅実な消費スタイルに変わりつつある。
一見逆行とも思える現象がなぜ起こるのか? 端末割賦販売は優位なビジネスモデルではなかったのか?
いまや薄々だれしも感づいているように、結局”端末0円”とは最初から目くらましにすぎなかったということだと思う。 優れたビジネスモデルとはバリューチェーンを複雑化して目先を変えたものにすぎない。
では、なぜこのような新たなモデルが登場するかというと、それはその市場が飽和したからだと思う。 要するに、優れたビジネスモデル(に見えるモデル)が勝っている市場は旨い市場ではない。
市場が旨くないのだから、新規参入すべきではないし、浮き足だって高コストな対抗策を講じてもいけない。 市場のライフサイクルに沿ってみれば衰退期にさしかかっている兆候なのだから、クビ切りなどのローコスト戦略に移行すべきなのである。
現に携帯電話市場ではソフトバンクモバイルがコストリーダーシップ戦略で参入してDoCoMoからシェアを奪ってきた。 それに対するDoCoMoの対抗策も結局は値下げだった。
競争ルールが変わったのであれば、そろそろ別の事業を考えなくてはいけないということなのだと思う。