僕がIT業界を辞めた理由 September 6, 2008
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先日、大学卒業から7年ほど勤めた会社を辞めた。 いまは失業している。 …というのは嘘か。僕は「うるめねっと」を経営する自営業者なのだった。 統計上は失業していない。

とはいえ家計上は脱サラするほど稼げていないので、やっぱり次の転職先も決まっている。 転職すること自体はここ数年にわたって考え続けてきたことだ。 今回は「ぜったいにIT産業を辞めるぞ」と決意したから、まず”辞めます宣言”してから転職活動に入った。 勤務先でも面接先でも「大丈夫なんですか?」と聞かれたが、いろいろ考え抜いた末の決断だったため全く迷いはなかった。

IT業界はどうなのか?

端的に言うと、僕がIT業界を辞めた理由は”微妙な閉塞感”にある。 日本のIT業界は建設ゼネコンの引き写しで語られることが多いが、本当に色々な面で似ている。 “ドメスティックな受託開発”という事業構造が両ゼネコンの性格を決めていると思う。

建設ゼネコンの方はバブル崩壊後の第一波に続き、景気刺激策が一巡しきって倒産ラッシュ第二波に突入したところだ。 一方のITゼネコンは、そこまで状況が悪いわけではない。 エンジニアの過酷な労働実態がWebで話題になったりもするが、実情は企業ごとにバラバラだし、何より建設業界のように業界全体として案件がないという状況にはなっていない。

問題はIT業界が花形産業であるかのような誤解が通念になっているというだけのことで、全体的には悪い業界ではないと思う。 そもそもITエンジニアには建設現場よりも高級なスキルが求められるのだ、という先入観が間違っているのだと僕は思う。

この先IT産業はどうなのか?

いちおう食いっぱぐれの少ないIT業界ではあるが、発展性が全くないという大問題がある。 数十年のスパンで見るとこの先ずっとこの業界で食べていくことがハッピーな気が全然しなかった。

株の世界ではIT業界は典型的な内需株(日本の景気の良し悪しに密接に連動する、という意味)と見られている。 少子高齢化で内需の全産業の活力が落ちていく状況で、IT業界から経済を先導するようなブレークスルーが生み出せるとは考えにくい。

どちらかというと先細るパイを獲り合うようなシナリオが濃厚だろう。 建設ゼネコンのような本格的構造不況がいずれ来るのではないか。 そのとき、とにかく労働人口の多いIT業界はいずれ阿鼻叫喚の図になるのではないかと思う。

IT業界にキャリアアップはあるのか?

このままキャリアを積み重ねてIT業界のエキスパートになったとしても、その先の選択肢がまた乏しい。 プログラマとして突出できる人はグローバルなソフトウェアベンダーに突き抜けていくことで”上がり”と言える可能性があるが、それ以外のケースはとにかく業界から出られない。

一部の人は戦略コンサルタントに転身できる余地があるが、頭数は非常に限られているし、マクロに見るとコンサル業界にもIT業界と同じ下げ圧力が働いていると考えられる。

残りの大多数の人は、とにかく同じような作業を続けていくことになる。フリーになってチャンスが増える道があれば良いのだが、販路が飽和しているとむしろピンチを招きやすい。

要するにサプライズがない

基本的に日本のIT業界は今後成長しないと思う。それは日本経済の大幅な成長がないからだ。 一方で、IT業界がいきなり無くなることもない。 世界経済が長期不況に突入しようかというサバイバル状況では、とにかく職についているということは重要なことだ。

ただ、社会的な意義が急速に低下していくことはおそらく避けられないだろう。 雇用水準を確保したまま不効率なシステムを作って国際競争力の足を引っ張るか、リストラしまくって安価なシステムを実現するか。 いずれにしても誰かが泣くことになる。

本当はこのような悲観的な見方を一掃する商売を生み出したかったところだが、そんなドラスティックな手を打つ気力は今の経営層(定年目前の団塊の世代)には残っていなかった、ということだと思っている。

大騒ぎにはなっていないが、水面下で2007年問題は動いている。

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